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2005年12月23日
植田正治「写真の作法」
3連休の初日は、なんだか最近しょっちゅう通っている気がする恵比寿の東京都写真美術館にて、『植田正治:写真の作法 ~僕たちはいつも植田正治が必要なんだ!~』を観に行ってきました。もう、ついに「友の会」に入っちゃいましたよ。写美主催の企画展・常設展がみられるほか、結構いろんな美術館の入場料が割り引きになり、しかも写美のカフェのコーヒー&紅茶は200円引きです(笑)

さて本題の植田正治。「ueda-cho(植田調)」と言って海外で通じるくらい有名な写真家だそうなのですが、私は今年の夏に初めて知りました。同じく写美で今年の夏頃にやっていた企画展「写真はものの見方をどのように変えてきたか 第3部 -再生-」というのが、戦中・戦後の日本の写真家12人を取り上げ、彼らの写真を10点前後ずつ展示するというもので、12人の中で最も印象が深かったのが彼の写真だったんですよね。なんというかとてもストレートに、「この写真、好き!もっとたくさん見たい!」と思った、それが植田正治の写真でした。ちなみにこのとき展示されていたのは、パンフレットにも採用されている砂丘シリーズの写真が中心。
ところでこの企画展、どうしてこんなタイトルなんだろうと思ったら、彼の著作に「植田正治 私の写真作法」というのがあるためらしい。彼の最初期の作品から晩年までを相当数網羅しており、タイトル通り、植田正治の写真作法を満喫できる企画展になっています。

最初期の写真は、町の風景やそこにいる人々を撮ったものが多く、なんとも素朴なテイストです。でも、電柱や木を写した写真などに、彼の独特の構図感覚が垣間見えたりして面白い。あと、全体的にこころもち右肩下がりで、イマイチ水平が取れてないんですよねえ。その辺のアバウトさも好きだ(笑)
そして有名な「砂丘シリーズ」。鳥取砂丘に家族を配して撮影した作品群で、上の写真の女性は彼の夫人であります。波打つ砂丘、白い雲、青い海、そして斜めのラインや水平のラインを生かした斬新な構図がとても印象的。やっぱりいいなあ…。
彼は地元鳥取からほとんど出ることなく、生涯“アマチュアとして”写真を撮り続けたのだそうです。そのせいなのかどうかは分からないけど、写真から伝わってくる「遊び心」がなんとも素敵。「おーい、○○君、もうちょっと右に立ってー。そうそう。あ、××ちゃん、ちょっとそこに座ってみてー」なんて言いながら写真を撮ってたんだろうなあ、などと撮影風景を想像していると、何とも楽しくなってきます。いいなあ、いいなあ~。
彼が生きていた時代はリアリズム全盛期だったそうで、そういう意味で「演出写真」である彼の作風は王道ではなかったのかもしれません。同じく作り込み系という分類(そんな分類があるのかは分からないけど)で行くと、やはり最近見た横須賀功光「光と鬼」とかを思い出してしまうのですが、緻密に計算し尽くされ、作り込まれた「プロの広告写真」である横須賀氏と比べると、植田写真の作り込み方は全然ベクトルが違う感じ。上にも書きましたが「遊び心」「アマチュアリズム」が、なんともいえず、いい!のです。写真を撮るときに彼が感じたのであろう楽しさが、見ているこちらまで伝わってくるんですよね。
晩年のカラー写真シリーズも展示されていました。サルバトール・ダリの絵に通じるような、ぶっとびぶりやありえない構図がこれも面白かった。いやー、いいわぁ、やっぱり好きだわ、植田写真。
写美の3階全部を使って展示しているのですが、展示点数も多いし、ボリューム感満点の企画展です。写真の一つ一つから、作者の気持ちがずんずんこちらに伝わってきて、心がおぼれそう。全作品を丹念に見おわる前に疲れちゃったので、再度観に行ってきます!なお、会期は2/5まで。
投稿者 ayano : 2005年12月23日 11:58
コメント
はじめまして。
TBありがとうございました。
植田さんの写真からは、本当に遊び心が伝わってきます
よね。『アバウトさ』というのも賛成。いい加減力が伝
わってくる、そんな展覧会でした。
投稿者 lysander : 2005年12月30日 20:42
「写真の作法」買いました。
明日あたりから読み始めマース。
投稿者 HYG_a2c : 2005年12月30日 20:49
lysanderさん:
コメントありがとうございます。
はい、私にもいい加減力が伝わってきました^^
見ていてとても楽しい気持ちになる展覧会でした。いいですよね~(と、何回書いてるんだという感じですが)
ひょーごさん:
本買ったんですね!感想待ってまーす。
…というかひょーごさんのblog、知らなかった(^^;
さかのぼって読ませていただきます。
投稿者 ayano : 2006年01月01日 10:57
はじめまして! TBありがとうございました^^
ayanoさんも"ueda-cho"から、楽しさや遊び心を感じていらっしゃるようで嬉しくなりました。
それからayanoさんが撮られるtea&sweetsのお写真も素敵ですね。
いつも女性の美的感覚に唸らされっ放しです^^
それでは今後ともよろしくお願い致しますm(_._)m
投稿者 Koh : 2006年01月01日 15:02
Kohさん、コメント&TBありがとうございます。
植田写真、いいですよね!私なりのueda-choも撮ってみたいなあ、なんてことを思ってしまいました。
ところでKohさんの渾身のレビュー&画像集のおかげで、LX1が欲しくなってしまい、困っています(^^;;;;
そもそも広角大好きで、ちょうどコンデジを探していたところなので、LX1はもともと気になってたんですよね。Kohさんの写真のワイドっぷりに惚れ惚れしてしまいました。さすがリアル16:9!
「一番撮るのは室内の食べ物写真、暗いところに強い&ノイズ処理が上手いカメラじゃないとニーズに合わない!」と自分に言い聞かせているのですが…どうなることやら。
投稿者 ayano : 2006年01月02日 00:40
ayanoさん、コメントありがとうございます^^
LX1 Sample Galleryもご覧頂いたのですね、ありがとうございます!
結果LX1に食指が動かれたようで、、、かなり良いカメラですよ(笑
植田昭治、10D、広角、Sweets...と、お互い共通項も多いみたいですから、
きっとayanoさんにもピッタリのコンデジかもしれません。
確かにノイズは多いのですが、個人的には900x600程度なら全然問題ないレベルだと思います。
下記URLにて素敵なサンプルがアップされていますので、お時間がございましたらどうぞ~
http://www.dpreview.com/reviews/panasonicLX1/page16.asp
悪魔の囁き的コメントですみません^^;
投稿者 Koh : 2006年01月02日 14:23
Kohさん:
あ、やっぱりSweetsもお好きなんですね。blogを見ながら「もしかしてかなりの甘党さん??」と思っておりましたw
それにしてもこのサンプル…うううう、だめですよう、ますます欲しくなる…(悩)
投稿者 ayano : 2006年01月03日 21:08
ayanoさん、はじめました。TBしていただきまして、ありがとうございました!!
今まで写真には全くと言っていいほど関心がなかったのですが、植田氏の作品を観て大好きになってしまいました。
そして、きっかけを与えてくれた福山さんにも感謝デス☆
投稿者 a-word-magician : 2006年01月23日 19:32
はじめまして。TBありがとうございます。植田と知り合いになったきっかけが私と同じなのには驚きました。また同じような感受性を持っている人がいるということにも。私も鳥取までと考えたこともありましたが、今は写真集で満足しています。スペイン語?なので読めませんが。また訪問させていただきます。
投稿者 paul-ailleurs : 2006年01月23日 19:51
a-word-magicianさん:
コメントありがとうございます :)
私は特に福山雅治が好きというわけではないのですが、a-word-magicianさんの情熱大陸についてのエントリはとても面白く読ませていただきました。
写真に興味がない人も惹きつけてしまう植田正治写真、すごいですよね。
paul-ailleursさん:
そうなんですよね…Blogで「写真はものの見方をどのように変えてきたかの第3部を観て、植田正治に惹かれた」と書いていらっしゃるのを観て、「まったく一緒だ!」と嬉しくなりました。
私、写真集は持っていないんです。買ってみようかな…会期が終わるのもそろそろなので、もう一回観たいなあと思っております。
投稿者 ayano : 2006年01月25日 03:00