2007年06月30日
グレゴリー・コルベール「ashed and snow」@お台場ノマディック美術館
小雨降る6月24日(土)、お台場のノマディック美術館で「ashes and snow」を観てきました。りんかい線・東京テレポート駅の目の前です。最終日ということもあって、結構な混雑。チケット買うまでに20分くらい並んだよ……。
移動美術館であるノマディック美術館は、コンテナを積み上げて作ってあります(COSCOとか書いてあるやつ)。傘を差してる人がならんで、なんか面白い写真になったかも(笑)
展示内容はというと……グレゴリー・コルベールによる約50点の超大型写真作品のほか、60分の映像1本、「映像俳句」と呼ばれる9分のショートフィルム2本。動物と人間の交流がテーマになっているようで、ゾウ、オランウータン、猛禽類など、さまざまな動物と人間の写真が並びます。上の写真を観ても分かるとおり、どの写真もあり得ないくらい動物と写真が至近距離。写真はすべて和紙に印刷されていて(だから独特の風合いがある)、コンピュータ合成はいっさいしていない、のだそうです。
「すべての動物が共有している言葉と詩的な感覚を探る過程を通じて、私は、人間が動物と調和しながら生きていた時には存在したはずの共通の基礎を再発見したいと考えています。作品のイメージは、始まりも終わりもなければ、こちらとあちらや、過去と現在の区別もない世界を表しています。作品展全体から、驚きと静けさ、深い思考と希望を体験していただけたらと思います。」
すごく評判いいんですよね、この企画展。私の周りも見に行った人はみな絶賛していた。
凄い写真だと思う。思うんだけど……この違和感、居心地の悪さは何なんだろう。
以下、ネガティブ感想なので、「グレゴリー・コルベール、良かった!」って方は観ないほうが良いかもです。
展示会場全体がグレゴリー・コルベールの世界観で満たされているわけです。どの写真もどのムービーも、ほぼ同じトーンで語りかけてくる。「人間と動物が交流しているよ」「知能の高い動物と人間は分かり合えるんだよ」「これがCGじゃないんだよ」……と。
グレゴリー・コルベール氏が何をしたかったのか、よーく、よーく分かりました。分かったけど、やりすぎ。過剰すぎてとても入り込めなかった。あまりに過剰だから、観ているうちに胸が苦しくなってくるの。ポスターなどに使われている写真、1~2枚を観てるうちは素直に「凄いなー」と思えたんですけど……。
私はもう完全にギブアップだったんですけど、周りを観てると「素敵~」「癒される~」と言いながらお客さんが会場を出て行くんですよね。ショップもすごいにぎわいで。この写真たちを見て「素敵」「癒される」と思えない私はひねくれているんだろうか、心が汚いんだろうか、と思いつつ、「でもなあ、うまく説明できないけど『イルカは知能が高い動物なんだから殺すなんてとんでもない!』的世界観がビンビン伝わって来ちゃって、とても見てられないんだもん、私」とも思ってしまった。
まあ、同じモノを観ても、感じ方考え方は人それぞれですもんね。グレゴリー・コルベールの写真展を観て素敵!と思った方は、この感想を読んで不快に思ったかも。申し訳ないです。
Ashes and snow (WEB)
投稿者 ayano : 23:59 | コメント (3) | トラックバック
2007年06月01日
開基足利義満600年忌記念「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」
さて、今回京都に行った目的はコレ。相国寺承天閣美術館で6月3日まで行われている開基足利義満600年忌記念として「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」です。若冲とは、江戸時代の画家だった伊藤若冲のこと。若冲さんはもともと京都のお人であります。

わざわざ金曜の夜から京都入りしたのは、ひとえに土曜の朝一番で入場したかったため。ものすごく混んでるとは噂に聞いていたのですが、予想を上回る混みっぷりでした。こんなに覚悟が必要な展覧会ってなんなんだ……。
10時開場のところを9時40分くらいに到着したのですが、すでに寺の回りにぐるりと行列が。よく見ると列は二つに分かれていて、一つは入場する列、もう一つは当日券を買う列。私たちは前売り券を持っていたので入場する列に並んだのですが、9時40分(すでに開場していた)に並んで、入り口に入れたのがちょうど10時。当日券を買う列はさらに長くて、「前売り券を買っておいて本当によかった」と心底ほっとしたのでした。なんだそれ(^^;
ところで、軽くこの企画展についてご紹介。ブライスさんというアメリカのコレクターのおかげで、逆輸入みたいな形で去年大ブームを巻き起こしていた伊東若冲の「動植綵絵」30幅が、現在所有している宮内庁から相国寺に里帰りして、釈迦三尊像と一緒に飾られるという企画だったのです。もともと動植綵絵は釈迦三尊像と一緒に相国寺に収められたものなんですが、いろいろあって今は宮内庁が所有しているんですね。この企画を知ったときから京都まで行く気まんまんだったのです。
そんなわけで、目玉の釈迦三尊像はともかく動植綵絵のうちほとんどはすでに、皇居三の丸尚蔵館で私は去年観ていたのでした(その話については:第2期/第3期/第4期/第5期)
今回は念願かなって……だったんですが、しかし……。率直な感想を言うと、「ほとんどすでに一回観てたからいいようなものの」という感じでしたね。
会場は第一展示室と第二展示室に分かれています。目玉の釈迦三尊像+動植綵絵があるのは第二展示室。第一展示室は若冲のそのほかの絵が中心の展示で、鹿苑寺(金閣寺)が持ってるものが多かったです。
何しろ朝一番で前売り券で入場するのに20分かかるくらいですから、中の混雑っぷりも推して知るべし。ベルトコンベアにのせられたように、そして朝のラッシュの電車のように、押し合いへし合いしながら前へ進みます。いやもう、とても絵になんか集中できない(^^;
今回は第一展示室の目玉?として、新発見の名作「厖児戯帚図(ぼうじぎほうず)」初公開と公式サイトにあり、どんなんかな?と思っていたのですが……絵を描きだしてすぐと思われる作品で、はっきりいってへたくそ…(^^;;;;;; これはきっと、若冲さんは発見してほしくなかったと思うよ(笑)
そして問題の第二展示室。いやー、写真撮りたかった。かなり広い室内なんですが、それでも見渡す限り、人の頭、頭、頭……絵の下半分は何も見えず。面白いことに、去年皇居で観たときには、1点1点めまいがするほど濃厚だった絵たちが、勢揃いするとそれほど濃いと感じないんですよね。私が見慣れたから……ではなく、やはり本来はこれがあるべき姿だったのだろうと思いました。
感想を書こうとすると混んでいたことしか出てこないので、若冲展そのものに興味がある方は「弐代目・青い日記帳」のTakさんの詳細レポートがオススメです。
一緒に行ったかえるさん、行列のすごさに引き返してきたmorioさんのblogも合わせてご覧ください♪
「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」公式ブログ
投稿者 ayano : 23:59 | コメント (2) | トラックバック
2007年05月15日
田所美恵子「一葉に会いたくて」
タイフェスの途中、花侍さんといっしょに銀座のポーラミュージアムアネックスへ。5月のポーラミュージアムといえば、毎年お楽しみのこの写真展です。

田所美恵子「一葉に会いたくて」。田所さんの針穴写真を観るのが、ここ数年毎年5月のお楽しみなんです。今も机の横にはいつも、田所さんのパリ写真がマグネットで留めてあります。
初めて観たのは2005年「誰もみたことのないもう一つのパリ」。このときの写真がなにしろ、とにかく、ものすごくツボで。そして翌2006年は「静物」。
2005年に初めて田所さんの写真を見たときの感動ときたらホントにもの凄くて、その後私は、柄にもなく(?)「ピンホール写真やってみたい……」なんて思ってしまったのでした。デジタル一眼のキャップに穴を開けてデジピンホール写真を量産したものの、私のデジピン写真はただのぼけぼけ写真でしかなかった…(苦笑)
2006年の「静物」は、残念ながら2005年ほどは琴線に触れなかったのでした。さて、今年は……もう、すごい。素晴らしい。むちゃくちゃよかった。
今年は、檜細工の三浦宏さんという方が作ったミニチュア写真を、田所さんが針穴写真で撮るというもの。テーマは「樋口一葉の世界」です。
田所さんの写真と、撮影した三浦さんのミニチュア家屋が両方展示してあるので、写真を見て、ミニチュアを見て、写真を見て……と繰り返し楽しめるのが素敵。
樋口一葉の小説の舞台というと、今の三ノ輪・竜泉・吉原界隈に当たるので、あのあたりで以前バイトしていた身としては非常に懐かしいエリアなんですよね。ミニチュア日本家屋はとてもよくできていて、ああ、美登利がこの柵から外を覗いていたのかな、とか、この菊の井の暖簾をお力はどんな顔してくぐったんだろう……なんて想像してみたり。「たけくらべ」や「にごりえ」を最後に読んだのってもう15年くらい前だと思うけど、ミニチュア家屋を見ているうちに、不思議といろいろ思い出してきました。
ミニチュアの家では、たこ糸が荒縄の代わりだったり、のりがはみ出していたりするのだけれど、それが写真になるとあら不思議。たこ糸じゃなくてホントに荒縄に見えるし、はみだしたのりは、桶からこぼれた水のように輝くのです。写真は不思議、ホントに不思議。実物よりも実物のように見えるよ…。
今回のポイントは、バンドエイドの箱で作ったピンホールカメラを、ミニチュア家屋に入れて撮っているというところ。今までのようにテープをシャッター代わりにすると、テープを貼る/はがすために手を動かすスペースすらとれないので、マグネットを貼ってシャッターにしたのだそうです。なるほど。
家屋のミニチュアにギリギリはいる高さのカメラで撮ったってことは、家屋の高さギリギリくらいのこびとの目で見た景色なんですよね。写真を見ているうちに、「ここで暮らせるこびとの目で見たら、この家の中がこういう風に見えるのかな」って思ったのはあながちピントはずれじゃなかったのかもしれない。
個人的には去年がちょっと好みでなかったので、今年はめっちゃくちゃ楽しめました。でも人によって受け取り方は様々だろうなあ。去年のほうがいいっていう日記も見かけたし(笑)
とはいえ、個人的には大満足だったし、つきあってもらった花侍さんも楽しんでくれてたみたいで、よかったよかった、と思ってます。
田所美恵子「一葉に会いたくて」
ポーラミュージアムアネックス (WEB)
投稿者 ayano : 23:59 | コメント (1) | トラックバック
2007年02月08日
国立近代美術館で柳宗理……のはずが。
国立新美術館に行った日の、午前中の話。友達と合流するまえに、一人で竹橋の国立近代美術館に行ってきました。通勤用定期券を持っているのが大手町までなので、大手町から竹橋までてくてく……というほどもなく、ちょっと歩いたらすぐに到着。大手町から竹橋ってこんなに近かったっけ?

お目当てだったのは、「柳宗理~生活のなかのデザイン~」展。御年91歳、日本のインダストリアルデザイナーの先駆け、柳宗理のデザインした製品が生活用品を中心に並んでいます。そう、これが目的、だったのですが……
感想を一言でいうならば、「ええっ、これだけっ!?」みたいな…(^^;;;;
バタフライスツールとか、鍋・ザル・カトラリーとか、並んでいるのは超有名どころのばかり。ええと、どれも一度は見たことがあるような……むぅ。タイトルが「生活のなかのデザイン」だから、まあ仕方ないのかもしれないけど、それにしてもなぁ……。楽しみにしていただけに、その反動?でかなり不完全燃焼な感じでした。うーん、企画した人、もう少しなんとかしてくれてもよかったのに……。
柳宗理(がデザインしたモノ)を観に行ったのですが、結局このときのメインは横山大観の「生々流転」でした。ものすご~~~く長い絵です。
山から湧いた小川がやがて大きな川となり、海にそそぎ、雲となって龍もいる……壮大な作品でとても見応えがありました。今まで半分しか見たことなくて、その時は正直あまり印象にのこらなかったんですよね。やはり絵(大作)は全部まとめて見ないとだめだなあ……と、当たり前のことを思ったのでありました。
投稿者 ayano : 03:22 | コメント (9) | トラックバック
2007年02月01日
祝・オープン!国立新美術館を撮る
週末、六本木に新しくできた国立新美術館に行ってきました。六本木ヒルズの展望台から見ると、すぐそばにグネングネンに曲がったへんな形の建物ができていて、かなり前から気になってたんですよね。キスデジ抱えてわくわくしながら写真撮影。
六本木からも近いですが、千代田線乃木坂駅からだと直結。エスカレーター・エレベーターとスロープで中に入れるので、車いすでも行きやすいんじゃないかな。
外からみるとこんなです。上(展望台)から見てもへんな形だったけど、下から見てもやっぱり変な形!ぐねんぐねん~♪ 黒川紀章っぽい、ともいえるわけですが。
この美術館、国立の美術館としては、5番目なのだそうです。常設コレクションを持たず、企画展のみという試み。今やってる内容についてはまた別エントリで書きます。
写真、まだ続く。
入り口を見上げるとこんなで。
夜になってから外にでると、ガラスの薄緑色が消えて、また違う雰囲気で。
上から見下ろすと、こんな感じ。地下1階、1階、2階、3階にはそれぞれカフェやレストランがあります。特に3階はポール・ボキューズのブラッセリー、って、高そう~……と思ったんですけど、帰ってきてからWEBサイトを見たら、ランチコースがプリフィクスで1800円、ディナーがアラカルトで1200~3500円、だそうで。場所を考えたらそれほど高くない、のかな。
レンズが魚眼レンズだから、ってのもありますが、そもそも曲がってるんです(笑)
投稿者 ayano : 12:45 | コメント (5) | トラックバック
2007年01月28日
「world's end : 世界の果て、憂鬱な子守唄」@神楽坂
神楽坂のアユミギャラリーで開催中の写真展「world's end : 世界の果て、憂鬱な子守唄」を見てきました。atcyさんこと、関西在住やまぐちあつし氏の写真達です。1月31日まで。

会場は、洋館……ってゆーか民家を改造した小さなギャラリー。大阪、奈良、東京、イギリス、イタリア、ベルギー、フィンランド、ノルウェー……世界のいろいろなところの風景が、小さな会場の壁中に貼られ、狭い空間の中にギュギュッと濃縮されています。日本の写真も海外の写真も、なぜか一定の温度感。atcyさんの目を通して切り取られているからなんだろうなあ。
atcyさんは初期日本人Fotologgerのなかでもとっても有名な方で、私も当時からよく写真を見ていました。当時Fotologで見た写真もいっぱい展示されていて、新鮮なような懐かしいような楽しい気持ち。ブラウザで何度もみた写真でも、プリントしてみると違う味わいがあるんですよね。
atcyさんの写真が気になった方はこちらでどうぞ。プリントを見たい、という方は神楽坂へGo!Go! 写真展用に期間限定のblogも更新されています。神楽坂の帰りは紀の善であわぜんざいもいいかも♪
ところで私、お恥ずかしながら今までずーっと勘違いをしてました。
atcyさんのこと、ずっとactyさんって書いてました。う、うぁぁぁぁぁ(恥)
あつし、だからatcyだったんですね。actyじゃあ東海道線の快速だよ……。
atcyさん、ごめんなさい~m(._.)m
投稿者 ayano : 01:00 | コメント (5) | トラックバック
2006年12月09日
天才と奇才の師弟 応挙と芦雪展(後期)
話がブチブチに切れていますが…奈良に行った話の続きなど。中谷堂でよもぎ餅を食べたあと、近鉄奈良駅で関西在住のP氏と待ち合わせ。一緒に「天才と奇才の師弟 応挙と芦雪展(後期)」をみに、奈良県立美術館へ行きました。
師匠・円山応挙と、その弟子・長沢芦雪。それぞれの作品を、似たテーマの絵ごとに並べて展示し、二人がそれぞれどのように描いたかを並べて見られるという趣向の企画展です。二人とも江戸時代中期の絵師ですが、作品を並べて見ることによって、「たしかに応挙は天才だし芦雪は奇才だよなあ」と妙に納得。「このキャッチ考えた人、うまいこと言うよねえ」とP氏もしきりに感心しておりました。
円山応挙は以前江戸東京博物館で大規模な展覧会をやったときに大分見ていたこともあって、今回は特に、主に芦雪の作品を楽しみにしていました。夏に見た、ブライスコレクションのときに芦雪の牛の絵がすばらしく良くて、それ以来「たくさん芦雪の絵をみる機会があればいいのになー」と思っていたのです。そんなわけで今回は願ったりかなったり。ブライスコレクションの芦雪の作品についてはこちらを参照。
芦雪の何が魅力って、大胆な構図だと思うんですよね。ブライスコレクションのときの「白象黒牛図屏風」もそうですが、今回だと「群猿図」かな。左右の屏風絵で、片方は割と普通なんだけど、もう片方が変。三角の尖った山の上に、猿が腕組みしながら一匹座ってる、という……自分が写真を撮るときも構図重視なので、大胆な構図の絵を見るとハッとするんです。
さてさて、「日本画より西洋画のほうが詳しいんだけど」と言いつつ、やっぱり詳しいP氏が「芦雪と言えばこれ」とオススメしていたのがコレ。「山姥図」です。

ものすごく怖い顔の山姥に、なぜか無邪気にすがりついている金太郎(山姥の子どもらしいです)。このサイズではさすがに分かりませんが、実物を見ると、乱杭歯の生えた痩せた歯茎が怖すぎる…(^^;;;;;
こんな怖い絵を描いている芦雪ですが、かわいい絵も描いてたり。それが「唐子琴棋書画図」。子どもたちが文字を書いたり絵を描いたり、将棋を指したりする絵です。でも、そんなに愛らしい絵を描いても、普通じゃ終わらないのが芦雪サマ。よーく見ると、へんなところが。弟にヒモ付けてるお兄ちゃんもいたなあ。
精緻な筆致で写実的に描く応挙、思い切った構図&大胆な筆遣いで描く芦雪。師匠と弟子と並んでいると、ついつい私の目は芦雪に行ってしまう……のですが、応挙のいくつかの絵には「おおおおおおお!」と声を上げそうになりました。絵から離れられなくなるくらい魅力的!

中でも印象的なのがこれ。応挙の「雲龍図」です。このサイズでは伝わらないけれど、この龍の迫力、もくもくとうずまく雲の迫力といったらすごい!かなり大きな絵ということもあるのですが、緻密にしてダイナミックな龍の姿に目が釘付けになってしまいました。いやぁ、これはホントにすばらしいっす。孔雀の絵もそうですが、応挙の大作は大きな画面の隅々まで気が配ってあって、絶妙なバランスで、しかもパーツパーツが完璧に描かれていて、非の打ち所がないんですよね。凄すぎる。
ところでこの「応挙と芦雪展」、前期と後期で完全に絵を入れ替え、というすごい構成になっていました。一部の絵を入れ替えっていうのはよくあるけど、全部の絵が入れ替えって珍しいですよね…おかげで今回は、応挙なのに一枚も幽霊の絵を見ませんでしたよ……(私の中では応挙といったら幽霊の絵なんだけどなあ)
なんだか市役所みたいな感じの奈良県立博物館、初めて行きましたが楽しめました。企画&見せ方の勝利ですね~。なお、応挙の弟子は1000人くらいいたのだそうです。奇才っぷりは芦雪が一番だったのかしら。
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
2006年11月23日
荒木経惟「東京人生」@江戸東京博物館

東京・両国で開催中の、アラーキーこと荒木経惟の作品を大量に公開した企画展「東京人生」に行ってきました。私、アラーキーの写真が好きで、写真集も数冊持ってるんですよ……というと、「えっ、ヌード写真集!?」と言われてしまいそうですが。
ヌード以外にも彼はいろんな写真を撮っています(個人的には彼のヌード写真はあまり好きではないのですよね……)。そもそも、彼が世に出たのは、東京・三河島の長屋で暮らす子供達を撮影した「さっちん」。個人的には、彼の真骨頂はヌード以外にこそあると思っています。妻・陽子さんを撮った一連の写真などは、ホントに傑作だと思う。
企画のタイトルが示すとおり、展示の中心となっているのは「東京」。1960年代~現代に至る東京がものすごくリアルに切り取られています。私が子供の頃に見ていた東京の姿が、プリントされて壁に貼られているのはなんだかとても不思議な感じ。
↓まだまだ続くよ♪
最近しみじみ思うんですが、昭和から平成になって、東京はかなり変わりましたよね。私が子供の頃(昭和の頃)、東京はもっと猥雑な街だったはず。例えば新宿は、昔はもっと暗さや貧しさがあり、生々しい人の気配が渦巻いているところでした。エネルギッシュで怖いところがある街であることは今も変わらないんだけど、今の新宿は、表面上のきれいさ・豊かさの陰に、暗さや貧しさが押し込められ、隠されている気がしてならないのです。言葉にするのは難しいけど、本当に変わったと思います。
新宿や銀座、三河島、豪徳寺などなど、展示されている東京のいろんな場所の写真に“昭和の匂い”を感じて「こういう写真が撮れるって凄いなあ」としみじみ思いました。街という“箱”を撮っているんだけれど、その箱の中にある人の気配とか空気とかが、一緒に写っているんですよね。
あと、電通勤務時代に撮っていた、街を行く人物の写真が展示されているんですが、これもすごくいいです。望遠レンズで街を歩く人を撮る、私もかつてはやっていましたが、これ、一歩間違うとただの盗撮写真(言葉が悪くてスミマセン)になってしまうんですよ。その人の表情がいい/悪いというレベルを超えて作品になっているあたりが、やっぱり違うな、と。
著名人のポートレートもすごくいいです。一番いいなと思ったのは、お風呂に入っている若き日の王貞治の写真。ほかにもいろんな人のポートレートがあります。昔のものあり、今のものあり。「吉行淳之介ってこんな人だったのか」とか「石原慎太郎って、若いころからこうだったのねー」とか思いながら見ていました。前に若いころの土門拳が撮った早大の卒業アルバム用写真や、カルティエ・ブレッソンの映画を見たときにも同じことを思ったけど、凡人には思いつかないような構図で、ものすごく自然な表情を引き出した結果、すごくいい写真になっているんですよね。こういうのはホント、天性の才能だと思う。
……と、絶賛して書いてきましたが、ラストの「平成色女」はいただけなかったなー(^^; やっぱりアラーキーのヌード写真は苦手だ……いや、単に私の趣味じゃない、っていうだけなんでしょうけど。なんというか、生々しさや俗悪さを狙いすぎな気がする。なんでそこでおねえさんを縛らなくちゃいけないんだとか、なんでそういうふうに脱がせなくちゃいけないんだとか、頭の中で違和感がグルグルグルと回ります。
ちなみにこの企画展、キヤノンが協賛していることもあって(展示写真はすべてキヤノンのプリンタで出力したもの)、アラーキーがIXYで撮った写真も展示されています。街写真、飲み友達写真など日常を切り取った写真がたくさん展示されていてとても面白いんですけど、笑っちゃうくらい食べ物がまずそうです。わざとやってるのかなー?と思ってしまうくらい、食べ物写真はまずそう(苦笑)
一緒に見に行った友達が、ひとしきり見終わったあとに「この人、写真が好きなんだなーってすごくよく分かった」と、ポツッとつぶやいていたのが印象的でした。東京が好き、写真が好きな人ならかなり楽しめると思うのでぜひどうぞ。クリスマスごろまでやってます。→荒木経惟公式サイト
追記:この企画展、常設展の料金で見られます。江戸東京博物館の常設展示エリアの中に写真が貼ってあります。いつも常設展をやるスペースだけでなく、一般展示の中にも写真が紛れ込んでいるので、あちこち歩き回って、気をつけて探し出してください♪(私もいくつか見落としたものがあるらしい…orz)
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています…が、うまくいったりいかなかったり。すみません…)
2006年11月02日
大竹伸朗 全景 1955-2006

10月下旬、大竹伸朗の大回顧展「全景」を見に、木場の東京都現代美術館に行ってきました。彼が生まれてから現在までの、全作品を収録・展示するというものすごい企画です。3階から地下2階まで、企画展示室をすべて使って展示するかなり規模の大きな企画展なんですが、恐ろしいことにそれだけのスペースを使っても作品を収めきれず、部屋によっては上下5段にも作品を展示したり、ポスターなどの印刷物は別室に持っていったりして展示しています。展示している作品数、なんと2000点余り!!
大竹伸朗……お恥ずかしながら「名前は聞いたことあるなー」くらいだったんですが、現在は宇和島に巨大なアトリエを構えて制作を続けている、現役バリバリのアーティストです。私は美術館内で、ばったりご本人をお見かけしましたよ。55年生まれとのことなので、今51歳。そんなに大柄な人ではないのですが、体からエネルギッシュな“気”があふれ出していました。
絵本の絵を描いたり、モロッコの旅行記(絵と文と両方)を出版したり、あと、EGO-WRAPPIN'のジャケットをデザインしたりもしてるんですね。2000点のうち数点「あ!見たことある!」っていうのがありました(^^;;;
以下、結構長めの感想です。
●3階
展示は、3階から始まります。ここでは、彼が21歳のときから私的に作っているスクラップブック(これだけでもものすごい量。総ページ数1万ページ以上、総重量200キロ以上!)が全部展示されているほか、30歳くらいまでの作品がすべて展示されています。小学生のときの作文あり、版画あり、高校時代の自画像あり、大学時代に北海道で写した写真&スケッチあり、と、大竹伸朗の若かりし時代を追体験できる仕組み。
おっ、と思ったのが、小学校4年生のときの版画。猫の絵なんですけど、10歳かそこらの子がこれを作ったのかと思ったら思わず唸ってしまいましたよ。やっぱり芸術家は子供のころから非凡なのだなあ。
そして、高校時代に描いた自画像(油絵)がたくさんあるんですが、絵の中の大竹伸朗はまっすぐにこちらを見据えていて、なんだか見つめられているようなその視線に思わずドキドキ。うぅっ、かっこよすぎる。段ボールに油絵の具を載せて描いたりしてるあたりも、リアルでいいなあ。
それにしても、30歳までの作品しかないはずの3階で、すでに息切れ気味ですよ。だってものすごい作品数なんだもん。
でも……と、思わず自分を振り返ってしまったり。この展示、たしかにものすごい量なんだけど、でも私だって今までに書いたテキストと写真と絵をすべて合わせたら、これに匹敵するくらいの量があるはず(もちろんそんなことはするわけがないのだけれど)。人間が、自分の中から吐き出した30年分のいろんなものを合わせたら、ものすごいボリュームになるんだなあ…と変な感心をしてしまいました。
若いころから精力的にいろいろなものを作ったり書いたりしてきた人であれば、「作品」として残るもの、全集に収められるもののほかにも実にいろいろなものを生み出しているはずだ、ということに気付いたのは有りがたかったな。画家でも作家でもいいんですけど、よく「xxの作風」とか「ooの思想」とかって簡単にカテゴライズするじゃないですか。でも、ほんとはそんな簡単・きれいにまとまるものじゃないはず。もっと混沌としているはず。今回のように、「全作品収録!」というのは難しいことだけれど、でも現代アーティストならできるんだ、一人の作家を知るって、本当はこういうことなのかもしれない……と思いましたよ。
●2階&1階
2階と1階は、旅の途中で描いたスケッチが中心。モロッコを描いた「カスバの男」の、シンプルなラインと絶妙な色遣いがすごく好き!細かく描き込んだ、またはいろいろ貼り込んだ“濃い”作品が多いだけに、シンプルな線で描かれたドローイングを見るとハッとさせられます。
そしてもう一つ印象的だったのが、イスタンブルを描いたスケッチたち。今から12年前の夏に彼はイスタンブルへ滞在して、数々の風景画を描いているのですが、これってちょうど私がトルコに居たのと同じころ。彼が見ていた景色は私が見ていた景色であり、彼の絵が私の記憶をどんどん掘り起こしていきます。しかも私はその後トルコへ行っておらず、記憶がそこで止まっているので、懐かしさもなおさら。Eminonuの港を始めとする、イスタンブルのさまざまな風景画を見ていると、いろんな思い出や風景が頭の中にどんどん浮かんできて、たまらない気持ちになりました。
●地下2階&吹き抜け
地下2階、吹き抜けの空間では「女神の自由」「北の空に浮かぶカタチ」「ダブ平&ニューシャネル」といった大型展示がお出迎え。女神の自由は、新潟のパチンコやさんの看板だった自由の女神さんを、なぜか大竹氏が引き受けてしまったもの。宇和島のアトリエのすみに寝ころび、汚くなってしまっていたそうですが、今回の「全景」に合わせて修理・塗り直しをしたのだとか。ニューヨークの自由の女神に比べるとずいぶんと変なプロポーションなのですが、なんとも味があって見飽きません。
北の空に浮かぶカタチは、大竹伸朗の絵を引き延ばし、10メートル×17メートル、重さ1トンの巨大緞帳として制作したもの。川島織物という会社が制作しています。印刷のアミ点が織物で再現されているのが凄い。札幌で劇場用の緞帳として使われているものだそうです。これは迫力が違うので、実物を是非見てみて欲しいなあ。
地下の展示で最も印象に残ったのは、「日本景」シリーズ。1995年から2000年にかけて「日本を描く」連載として、各地を旅して描いた絵です。普通の絵のほか「ぬりどき日本列島」と題した塗り絵もあり。
この日本景、わびさびでもなけりゃ美でも伝統でもないわけですが、だけどリアルに「ニッポン」なのですよ。フリップ式の携帯電話や、東京テレメッセージのポケベルなどなど、連載が行われていた“20世紀最後のニッポン”のエッセンスがギュギュッと詰まっていて、「ああ、あったあった!」の連続。寂れた水族館とか、電話ボックスに貼られたピンクチラシとか、なんだかものすごくいろんな風景を思い出してしまいました。
朝早めに行って、半日たっぷりかけて見たにもかかわらず、おなかいっぱいでもうヨレヨレ。企画展全体の印象を一言で表すなら「密度と濃度」ってところでしょうか。このほかにもいろいろあったんですけど、なにしろすごいボリュームなので、とても書ききれません(苦笑)。企画展示室の外にもいろいろあって、「印刷物部屋」だけはかろうじて見られたけれど、「美術図書室」とか「映像コーナー」はもうギブアップしちゃいました。この二つだけでも再訪しないとなあ……。
ちなみにこの「全景」、10月14日から始まった企画展で、12月24日までやってます。詳しくはこちら。それほど混んでいない(建物も広いし……)ので、じっくり楽しめると思いますよ。一部雑誌もこれに合わせて大竹伸朗を特集中。エンタクシーの秋号とか、IDEA 11月号が大竹伸朗を特集しています。
そうそう、帰り際には現代美術館の屋上を見上げることをお忘れ無く。宇和島駅解体のときにゆずりうけた駅のネオンサインが、木場の町を見下ろしています。
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
2006年10月22日
アンリ・リヴィエール 「エッフェル塔三十六景」
観に行ってから大分経ってしまったのですが……ニューオータニ美術館の企画展で、アンリ・リヴィエールのリトグラフ集「エッフェル塔三十六景」を見てきました。 ※もう終了しています
最近はあまりに混みすぎていて、まともに見られないような美術展が増えているのですが(これとかこれとか、混んでたよなあ……)、今回はとっても空いていて、作品を堪能できました。一つ一つが小さいから、近寄って見られないと楽しくないんですよね。
アンリ・リヴィエールは19世紀後半のフランスの人です。木版画を復興させ、多色刷りリトグラフを開発した彼は、日本文化にもとても興味があったそうで、葛飾北斎や歌川広重の浮世絵から強い影響を受けています。今回観に行った「エッフェル塔三十六景」はその名の通り「冨嶽三十六景」の影響を受けているリトグラフの作品集。1888年から始まったエッフェル塔の建設段階を追って描かれています。
会場ではそれぞれの絵の横に、構図が似ている葛飾北斎や歌川広重の浮世絵も貼ってあって、楽しめました。「たしかに似てる!」とおもうものもいっぱいありましたよ。でも、浮世絵の影響は消化した上で、パリの日常の風景が描き出されていて、とってもよかった。通して見てみると、ちょっとTINTINの絵に似ているなあと感じました。
以前このblogにも書いたのですが、初めてこの絵に出会ったのは2004年の秋のこと。横浜美術館の開館15周年記念展として開かれた、「失楽園 風景表現の近代 1870-1945」で見たのでした。あの時は36枚中9枚しか展示されていなかったので、「いつか全部揃って見てみたい」と思っていたのです。念願かなってよかったなあ。
ニューオータニ美術館は、ホテルニューオータニの中にある美術館です。普段は発表会取材に行くことがおおいところなので、ニューオータニへ絵を見に行く、というのはとても新鮮でした。
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
2006年10月12日
3枚の国宝風神雷神図屏風
10月1日までだったので、もうとっくに終わってしまってるんですが……帝国劇場のあるビルと同じ、東京・日比谷の出光美術館でやっていた「国宝風神雷神図屏風」を見てきました。私が行ったのは結構会期ラスト近くでしたです。出光美術館って、会社から一番近い美術館なんだけど、入ったのは初めて。中こうなってるのか~、なんて変な感心したりして。
さてこの展覧会、なかなか面白い内容でした。国宝「風神雷神図屏風」は、桃山時代~江戸時代初期に俵屋宗達が描いた傑作です。それから1世紀くらいあと、京の絵師・尾形光琳は宗達の作品を模してやはり風神雷神を金屏風に描いたのでした。さらにさらに時は流れ、幕末の絵師・酒井抱一は尾形光琳の風神雷神図屏風を真似て、やはり自分も風神雷神図屏風を描いたのです。この3作品が60余年ぶりに一堂に会するまたとない機会……ということで、出光美術館はいつにない賑わいでありました。
これを見に行くまで知らなかったんですが、抱一は光琳の風神雷神図を、オリジナルと思っていたそうなんですよね。私は、全部で3作あることをもちろん抱一は知っていたと思いこんでいたので、ちょっと驚きました。そうだったのか。
で、この企画展では3人の風神雷神図屏風を展示しています。配置的に、一度に三枚を一緒に見ることはできないので、前に見た風神雷神図屏風を頭に残しながら、次のを見に行く感じです。俵屋宗達のは人だかりがすごくて、とてもじゃないけど落ち着いて見られなかったのが残念。
それぞれの違いがよくわかるように、「眼」「手」「足」などパーツ別に切り出して拡大したものを、それぞれ並べて展示してあるのも面白かったです。「宗達と光琳」「光琳と抱一」という感じで比較しているんですが、確かにこうやって見せてもらうとよく分かる。あとついでにいうなら、なんだか美術史の学生さんの研究発表のようでもあった(笑)。さらにいうと、普段は「たくさん絵が飾ってあるけど説明は最小限」という展示にに慣れているので、「展示点数が少なくて、解説がたっぷり」という展示方法はかなり新鮮でしたです。
さて、これを見に行ったひとは必ず「で、3人の風神雷神図のうち、どれが一番好きだった?」という話になると思うのですが、私は光琳と宗達かなあ。抱一のはあまり、好みではありませんでした。絵としては光琳のが好き、宗達は仏像で見る風神雷神に近くて、私が頭でイメージする風神雷神に近かった。
…なんていいつつ、実は風神雷神図屏風のあとにも、お楽しみが待っていたのでした。
今回展示されている、光琳の風神雷神図屏風の裏に抱一が描いていたのが「夏秋草図屏風」。そう、上野の東博が持っているあの絵です。夏に上野で「若冲と江戸絵画展」を見たついでに、一緒に見た方もいるのでは。その関係、というわけでもないのですが、風神雷神図屏風のあとに、「琳派芸術の継承と創造」と題して、燕子花や梅、そして秋草図などを楽しめるのです。
正直、風神雷神図屏風よりも、こっちのほうが良かったのは私だけ…?(^^; 酒井抱一については以前、ここで詳しく書いていますが、彼の描く植物の絵は本当に素敵。いつまで見ていても飽きません。抱一だけでなく、其一の絵もあって堪能いたしました。風神雷神を見に行って、花の絵を見てうっとりしてくるのもどうよ、という感じなんですけどね(^^;;;;;
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
2006年09月20日
三の丸尚蔵館「花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に>」@第5期
見に行ってから随分と時間が経ってしまったのですが、皇居三の丸尚蔵館で行われていた「花鳥―愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」の最終期、第5期を見てきました。
思えば今年の夏、私の中で一番盛り上がっていたのが伊藤若冲と、そこから興味を持った琳派の画家達。今まで日本画に全然興味がなかったのに、不思議なものです。それくらい、興味の入り口として若冲さんが素晴らしかったってことなんだろうなあ。だって若冲さんの絵、「日本画=掛け軸に墨で描かれたもの、わびさびな感じ」という先入観をぶっとばしてあまりあるくらいエネルギーに満ちているもの。これが江戸時代に描かれたのか!と思うと体が震えます、ホントに。
さてそんな若冲さんの「動植綵絵」全30幅を6幅ずつ展示しているこの企画。ついに最後の6枚となったのですが、一番気に入ったのが「紅葉小禽図」。何とも不思議な絵なんですよ。

図版で見たときはそれほど印象がなかったんですが、実物は見飽きない絵。最後の最後にこの絵を持ってきた学芸員さんのセンスには脱帽です。一見、ただ赤いばっかりかと思ったもみじの葉は、実はかなりさまざまな色に塗り分けられていて、かなり複雑かつ美しい。
動植綵絵の他の絵に比べると構図的にはシンプル……と言いたいのだけれど、真ん中のくるっと輪っかになった枝。ありえない形で、見ている者をものすごく落ち着かない気持ちにさせるのです。この“そこはかとなくヘン”な感じがたまらなくて、若冲さんの絵は何度も見たくなるんだよなあ……。
ちなみにこの小鳥さんは、平成10年に国際文通週間の記念切手になってるんですよね。動植綵絵から3種類、鳥の部分をアップで切り出して切手に使っています。「紅葉小禽図」が90円、「雪中鴛鴦図」が110円、「芍薬郡蝶図」が130円。雪中鴛鴦図は、若冲さんの絵で最初に衝撃を受けた絵なので、これが選ばれているっていうのが個人的には妙に嬉しい気持ち。
さて、今回の目玉は多分、お魚シリーズ。「群魚図<蛸>」「群魚図<鯛>」が出ています。親蛸の足にくるりんと子ダコがからみついてくっついているのがなんともキュート。若冲さんの絵にしては素直に描いている印象ですが、それでもどこかで変な部分(よく言えば遊び心)を忘れないのね、なんて思ってしまいました。ウロコなどの描きこみぶりはさすが若冲、という感じなのだけれど、やはり鶏を始めとする馴染みの動物に比べると、若冲さんにとってはあまり魚って馴染みがなかったんだろうなあと思ってしまいます。構図的にも、かなり素直(=ひねってない)だし。
残り3点は「芙蓉双鶏図」「老松孔雀図」「薔薇小禽図」。芙蓉双鶏図で「やっぱり若冲さんの描く鶏はひと味違う。実物よりもリアルだ」と思い、老松孔雀図で「ああ、鳥の羽の白さがすばらしい。どんな絵の具を使ったら、そしてどんな技術を使ったらこんな色が出せるんだろう」とつぶやきました。
薔薇小禽図は“綺麗”と“グロい”のきわどいところを行く作品。たくさんの薔薇が咲いていて、そこに小鳥がいる絵なのだけれど、見ているうちにだんだん、薔薇が気持ち悪く見えてくるのです。花の咲く方向も、みっちりとした咲き具合もなんだかヘン。しかも花がだんだん、生き物の眼に見えてくる……うう、気持ち悪いよう。
一回に6枚ずつ、5期に渡って展示された動植綵絵。かなり長い期間若冲に思いを馳せることになりました。
そのおかげで今年の夏は何冊か伊藤若冲関連本を読んだんですが、私が読んだ中でどれか1冊オススメするとしたらコレかな。若いころから順に作品を紹介し、彼の生涯や人間関係についても絵に絡めて解説してくれるわかりやすーい本です。彼の描いた絵をバランスよく紹介していますが、特に動植綵絵にページを割いて、大きく載せてくれているのもうれしい!若冲という名前を初めて聞いた人でも、すいすいと読めるのではないでしょうか。
書き忘れてしまいましたが、第5期で展示されていた若冲以外の絵で、もっとも目立っていたのが円山応挙の孔雀の絵。ホントに大きな、堂々たる大作です。雄雌一対の孔雀の絵なんですが、これを再構成し、孔雀1羽の絵として描いたのが、上野のプライスコレクションに出ていた長沢芦雪の「牡丹孔雀図屏風」。あの絵を思い出しながら応挙の孔雀を眺めていました。ああー、これが出ることは分かってたんだから、上野で買った図版を持ってくればよかったよ…とちょっと後悔。
そんなわけで、伊藤若冲「動植綵絵」を6幅ずつ5期に分けて堪能しましょう、という若冲マラソンもこれで最終回。ほんっとに良い企画でした。上にも書いたけれど、この企画のおかげで日本画に出会えたといっても過言ではないもの。
来年は、動植綵絵30幅が京都の相国寺へ里帰りし(動植綵絵は、相国寺が皇室に献上したものなのです)、釈迦三尊像と一緒に飾られるという見逃せないイベントがあります。行くぞ、京都へ♪
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
2006年08月21日
「若冲と江戸絵画」展(5)&ホテルオークラ「花鳥風月[日本とヨーロッパ]」
さてさて、しつこく続いてきた「若冲と江戸絵画展」関連エントリもこれで最終回。こちらを見ていただけると、まとめて読めますので、よかったら。
「若冲と江戸絵画展」、そろそろ会期終了も近いですが、2階を見終わったら1階の「若冲と江戸絵画?あなたならどう見る? ジャパニーズ・アート?」も忘れずに見てください。「日本画を鑑賞するには光がとても大事」というのがブライスさんの自説で、カリフォルニアのお屋敷では自然光を取り込んだ部屋や、掛け軸を見るために仕切りをした部屋など、工夫を凝らした展示室があるのだそうですよ。
で、その1階の企画展なのですが、一見お子様向け展示ですが大人が見ても楽しめるのでぜひぜひ。畳に座ったり、寝ころんだりしてブライスコレクションを楽しめます。以前京橋のブリヂストン美術館で「雪舟からポロックまで」を見たときに、椅子に座ってガラスケースに遮ることなく、低い視線で屏風絵を楽しむという体験をしたことがあり、それ以来「そうだよなあ、本来屏風絵っていうのは座ってみるものだよなあ。ガラスケースで遮られて、のっぺりと蛍光灯で照らされてる絵は、虫かなにかの標本みたいだ」と思っているんです。ガラスケースに遮られず、しかも座って見るというのは至難の業ですが、どちらかだけでも楽しめる機会があれば逃すチャンスはないと思うので、1階の作品は是非畳に座ってごらんくださいね。
そうそう、この企画展はこれから京都など数都市を回るのですが、特別展示室の光を変えての展示は、東京だけなのだそう。東博で見られる人は堪能してください。

さて、本展示にもどって……最終回(今回)の話題はなんといってもコレです。酒井抱一「十二か月花鳥図」。皇居三の丸で「花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に>」第4期を見たときから気になっていた作品なので、実物に出会えて嬉しかったです。しかも、ガラスケースなしでの対面…(涙)
皇居のと同じ「十二ヶ月の花と生き物」をモチーフに描いたものなのですが、あちらは花をメインに描いているのに対し、こちらは鳥をメインにしています。同じモチーフでも仕上がりは全然違って面白いですよ。
若冲の描く、エキセントリックというかエネルギー過多というかどこかひねくれている絵も面白くていいんですが、ある意味対極にある酒井抱一の絵も大好きです。…というわけでご紹介したいのが、ホテルオークラ別館アスコットホールでやっている、「秘蔵の名品アートコレクション展 花鳥風月[日本とヨーロッパ]」。
ホテルオークラがやっているチャリティ展で、今年で第12回なのだそう。西洋画・日本画問わず花鳥風月をテーマにさまざまな作品が集められています。かなりレベル高いのですが、その中でももっとも私が惚れ込んだのがやはり酒井抱一の「四季花鳥図屏風」。
酒井抱一が、尊敬する尾形光琳の百回忌を営んだときに描いた絵だそうで、金屏風に草花や鳥を描いて季節を表しています。55歳のころの作だそうですが、本当に美しい。傑作です。彼の描く鳥や草花がホントに大好きなんですが、特に、特に彼の描く紫陽花がものすごく好きなんです!!!花びらには濃淡をつけ、葉はマットに塗り分けています。とくにマットに塗った部分は、筆のさばきがとても上手くて、端のラインの処理なども見事としかいいようがないのです。右にいる小鳥もかわいいし、真ん中の雉(かな?)のきょとんとした目も非常に愛らしい。また、雉の羽根の描き方が見事!でも、おなじ美しい鳥の羽でも、若冲さんとは大分違う。積もった雪もねっとりしていなくて、こちらも大分違う(笑)
あ、そういえばこのホテルオークラの企画展でも若冲の作品を見られるんですよ。「乗輿舟」という長~い版画が展示されています。拓版画というちょっと変わった技法の版画です。他にも北斎の「月見る虎図」、長沢芦雪「雁来紅小禽図」、渡辺崋山「富峰驟雨図」など見所満載。個人的には円山応挙の「梅に鶯図」が好きだなあ。小さい作品なんですけどね。
ホテルオークラの「花鳥風月[日本とヨーロッパ]」は24日木曜まで。もうすぐ終わってしまうので、気になる方はお早めに!!
それにしても、2004年には酒井抱一を中心とする琳派関連の展覧会がいっぱいあったと知り、「もう2年早く知っていれば…」と悔しくてなりません。まあでも、今から見られるものを探そう、と前向きに考えています。今見られるものとしてはそのほか、東博が持っている「夏秋草図屏風」(常設展示です。若冲と江戸絵画展のチケットがあれば、そのまま見られるので是非どうぞ)が多分酒井抱一の一番の代表作なのかな。
もう一つ楽しみにしているのが、出光美術館で9/9から10/1まで開かれる「国宝 風神雷神図屏風―宗達・光琳・抱一琳派芸術の継承と創造―」。俵屋宗達が描いた「風神雷神図屏風」を、その100年後に尾形光琳が模写し、さらに幕末に酒井抱一が模写に挑戦したのだそうです。その3人の「風神雷神図屏風」を、3つまとめて展示するという企画展です。出光美術館は多分、会社から一番近い美術館…なんですが行ったことないんですよね(^^; 忘れずに行ってこようと思ってますー。
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
2006年08月19日
「若冲と江戸絵画」展(4)動物の絵に注目してみる
いつまで続く気だ、という感じの「若冲と江戸絵画展」エントリ。書いてる本人が終わる気がしなくなってきたのでペース上げていきます。(5)で終わりますので、いましばらくお付き合いのほどを…
今回の企画展では、同じ題材を描いた違う作者による絵がいくつかあります。たとえば動物では「猛虎図」「鯉魚図」など。あとは美人図とか達磨を描いたものもいろいろ。人によって描き方がぜんっっぜん違うので、その辺を比べながら観るとより楽しめるのでは、と思います。
さて、以下に虎と鯉を除いた動物モノの絵のうち、とくに印象的だったものを並べてみました。
●長沢芦雪「白象黒牛図屏風」

其一の「青桐、紅楓図」や若冲の「鶴図屏風」、酒井抱一の「十二か月花鳥図」(これは後述)と並んで、今回の企画展の中で最も印象的だったのがこの絵です。長沢芦雪の「白象黒牛図屏風」。
屏風いっぱいにはみ出そうなくらい大きく描かれた黒い牛と白い象が向かい合っており、牛の横には白い子犬が、象の背中(おしり?)には黒い鳥が止まっている、という絵柄。白と黒の使い方が効果的で、構図の大胆さも相まってものすごくインパクトが強い絵です。「青桐・紅楓図」とはまた違う意味で「こういう日本画もあるのか!」と思いました。まさに傑作。
ちなみに長沢芦雪の絵はかなりいろいろ展示されていて、しかもどれもイイ!
まず展示会場に入って最初に出迎えてくれる「猛虎図」。私は今回展示されている数々の「猛虎図」の中で、この長沢芦雪の絵と片山楊谷の絵が一番好きです。
そして「牡丹孔雀図屏風」。師である円山応挙が描いたクジャクの絵を模写したものですが、羽根のリアルな美しさ、りんとした孔雀の目つき、細かな描き込みなどなど、ものすごく良くできた傑作・大作です。同じ孔雀を描いても、若冲とはまたひと味もふた味も違うところが面白い。
そうそう、幽霊を描いた絵もありますよ。幽霊の絵というと円山応挙を思い出すんですが、結構違います。
●森狙仙「梅花猿猴図」「猿猴狙蜂図」

若冲が鶏を描く天才だとしたら、猿を描く天才はこの人だなあと思ったのが、森狙仙(もりそせん)。
ふさふさとした毛の質感、なんともいたずらっぽい(というか人間くさい)表情、仕草の自然な愛らしさ、全体に漂う空気など、完璧!!! 猿を描かせたらこの人の右に出る人は居ないと思うのです、きっと。左に挙げた絵は、下の部分だけを切り取ったモノ。ほんとはこのお猿さんの視線の先にはハチが飛んでます。
今回の「若冲と江戸絵画展」では、「梅花猿猴図」「猿猴狙蜂図」と、森狙仙が描いたお猿さんの絵を2枚観ることができます。特に梅花猿猴図のほうが毛のふさふさっぷりが楽しめるかと。お見逃しなく!
●山口素絢(そけん)「美人に犬図」

ラストはこれ。山口素絢はやはり円山応挙の弟子だった人物だそうです。
この絵では、美人の足下に子犬がじゃれついている様子が描かれています。主役の美人が、浮世絵の美人画とはちょっと違って、結構リアルにいそうな美人さんなところがまず素敵。ちょっと(けっこう?)はだけた胸元や、着物からチラチラ見えてる赤い襦袢がセクシーーー♪
しかししかし、一番気になったのは美女ではなくてじゃれついてる子犬だったり。この絵、キャプションには「子犬は応挙風の描写である」とあるのですが……そ、そうかなあ。応挙風かなあ???
↓に犬の顔をアップにしてみました。よかったらどうぞ。

この子犬、なんだか顔がいやらしくないですか?(笑)
応挙の描く子犬は、こんなにいやらしくない!もっとかわいくて優しげだと思う!!
…といっても私も、去年江戸東京博物館の円山応挙展で数点見たくらいなんですけど。
そんなこんなで「美人に犬図」、妙に印象に残ってしまいましたとさ。
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
投稿者 ayano : 03:56 | コメント (2) | トラックバック
2006年08月18日
「若冲と江戸絵画」展(3)鈴木其一編
タイの話も書きたいと思いつつ、しつこく続く若冲と江戸絵画展話。実は今回、タイに出発するその当日に、ひとっ走り東博で2度目の若冲展見物をしてきたのでした。えへへ。
お恥ずかしながらこれまで、日本画にはまっっっっっっっっっっっっっっったく興味がなかったのですが、今年の1月に東京都現代美術館で現代の若手の作品を集めた日本画の企画展を見て(No Border~ 「日本画」から/「日本画」へ)、その後5月に皇居の三の丸尚蔵館で初めて伊藤若冲の絵を見てからというもの、自分でもなんだか恥ずかしいくらいの盛り上がりっぷりなのです。
若冲から始まった日本画ミーハー心は、そのうち酒井抱一へ飛び火しました。で、今回の若冲と江戸絵画展で一目惚れしたのが、酒井抱一の内弟子である鈴木其一、そして長沢芦雪。というわけで、今回は「若冲と江戸絵画展」で見られる鈴木其一の作品の話を。
(1)でも書いたように、今回は5部構成&特別展示室、という分け方になっているのですが、このうち「第五章 江戸琳派」のところが鈴木其一ルームになってます。「貝図」「狐の嫁入り図」「群舞図(美女いっぱい♪)」など素敵な絵がたくさんあるのですが、なんといっても印象深いのがこれ。

「青桐・紅楓図」。2幅の絵が対になっています。桐に降る雨と、紅楓に降る雨とで降り方が違うんですよね。そして何より驚くのが、絵の中に満ちている光の豊かさ、柔らかさ。これまで日本画を見て「光」を感じることってなかったので、「こんな日本画があるのか」ということがものすごく衝撃でした。
すごくいい絵がいっぱいあるこの企画展の中でも好きで好きでたまらない絵です。何分でも見ていたい。実際、他の絵を見た後に、もう一回もどってきてこれを見る、という…(笑)
こんなに素敵な絵なのに、悲しいかな、ポストカードやクリアファイルに印刷されていたものはグッとこなかったのでした。なぜなのかは自分でも分からないけれども。そんなわけで、家では図版の中のこの絵を見てニヤニヤしています←怪しい
さて、最後の特別展示室にも鈴木其一の作品がどーんと待ちかまえています。それがコレ↓

「群鶴図屏風」。これ、かなり大きな屏風絵です。上半分が実際は向かって左側に、下半分が実際は向かって右側に置かれていて、ちょうど鶴さんたちが向き合って立っている状態です。
これ、縮小されたものを見ても多分ピンとこないと思うんですよね。実物をみないと、全然いいと思えないんじゃないかと思う。左側の鶴さんたちの中に、一羽だけ頭を下げている鶴がいて、それが全体のリズムを作り出していてとても気持ちいいんです。
展示方法もとてもよくて、ガラスケース抜きでどーんと置いてあります。照明が直接当てられていて、照明の明るさは数十秒毎に変わるという仕掛け。これはなんといっても、直接照明を当てて、金箔が輝いてる状態で見て欲しいなあ。
そういえば鈴木其一の息子の作品「秋草図」もありましたよ。これはかなり斬新でした。そこまで描くかー!?みたいな。なにが“そこまで”なのかはこちらをご覧下さいませ♪
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
2006年08月11日
「若冲と江戸絵画」展(2)伊藤若冲編
さて今回はいよいよ伊藤若冲の話を。いっぱいあるし、どれもそれぞれによかったんですが、きりがないので何点かに絞って書きたいと思います。
●鶴図屏風

今回私が惚れ込んじゃったのは、なんといってもコレ。若冲ルームにある、「鶴図屏風」です。
若冲の絵というと、これでもかこれでもかというくらい細部が描き込んであって、持てるテクニックを全て費やして……というイメージが強いですが、これは逆に、鶴の動きをさら~っと描いてある作品です。しかも鶴の体はわざと丸くデフォルメして、たまごのような形に描いてある。絵から少し離れて、わざと斜めのほうからちょっと目を細めてこの屏風絵を見ると、卵がコロンコロン転がっているように見えます。
デフォルメしてあるのに、すごくシンプルに描いてあるのに、それでいて驚くほど“鶴”なんですよえ……。ある意味写真よりも細かく鳥(鳥だけじゃないけど)を描き込んだ若冲だからこそ描ける線なんだろうなあ、としばし嘆息。
すっごくすっごく気に入ってしまい、お土産屋さんでこの絵の「ミニ屏風」を買ってしまいました。自宅の机の前に置いて眺めています。
●鳥獣花木図屏風

この企画展の目玉作品ともいえるのがコレ。宇多田ヒカル「サクラドロップス」のPVで、この象がCGになってクルクル回ってたとかで、あちこち取り上げられてますよね。ミュージアムショップの話でも書きましたが、ルービックキューブやらTシャツやらバッグやら、この絵をモチーフにしたグッズもたくさん出てますし。
そんな鳥獣花木図屏風はやっぱり大人気で、この作品の前にはもうずーーーーっと人だかりの山。大きな作品なので、近寄っても見たいし離れても見たいんだけど、混んでいるので、離れてみると上半分しか見えないんですよ…(涙
というわけで、この絵をじっくり見ようと思ったら、前回のエントリの「おまけ情報」として書いた「入場締めきり後に再入場」の手をオススメ。ラスト30分はどんどん人がいなくなるので、ゆっくり見られます。
…と、こんな風に書くと、私この絵がものすごく好きな人みたいですが(いやまあ嫌いじゃないけど)、この絵を見ると、「好き!」という気持ちよりも先に、違和感を覚えてしまうのですよね……。

この絵のポイントは、なんといっても「升目描き」。アップで見ると絵が細かい格子に仕切られているのが分かると思います。BRUTUSの若冲特集ではプライスさんが、この絵をタイルで模写した特別のお風呂に入ってる写真が掲載されてましたが、まさにタイル絵。こんなタイル絵の銭湯があったら、行ってみたいです(笑)
で、上に書いた違和感の内容なんですが、ぶっちゃけ「これ、ほんとに若冲?」と。
……いや、代表作に向かっておそれおおいと思いますよ私だって。でもこの絵、構図にも描き込み方にも、他の絵に感じられるような、“やりすぎ感”がないんですよね…。全体のキッチュな感じは嫌いじゃないんですが、「ここまでやるか!!(驚)」と観た者に感じさせる、あのパワーが感じられないんです。
若冲にしては書き込みがあっさり、という点であれば、上の鶴の絵の屏風だって同じです。でも、あの鶴の絵の屏風は「あれだけ描き込む若冲だからこそのあの線」と思えるのですが、この絵に関してはそう思えないんですよね……どうしてなんだろう?
この絵を見ながらそんなことを考えていたのですが、家に帰ってきてから若冲関連のサイトをいくつか読んでいたところ、「この絵は若冲の作ではない」としている専門家もいることを知りました。そうか、あの絵に違和感を感じていたのは私だけじゃなかったのか……と、ちょっと安心した(?)次第。
升目書きという技法自体は面白い絵だし、私はこの絵一点しかまだ観ていない。静岡県立美術館にある「樹花鳥獣図屏風」も観てみたいな、と思っていたりします。んー、用事作って静岡行ってくるかなーー。
●葡萄図

プライスさんを江戸絵画コレクションの道に引きずり込んだ運命の1枚、若冲の「葡萄図」も展示されています。「ほほー、これかー」と思って見てください。
大学の卒業祝いに、メルセデスのスポーツカーを買おうと思っていたんだけど、この絵が気になって気になって仕方が無く、ガルウィングはやめてこの絵を買って、それ以来伊藤若冲を中心に、江戸絵画のコレクションにいそしむようになった、という運命の一枚。
しかも最初のうちは、誰が描いた絵なのか、なんていうのはまったく気にしないで、ピンと来た絵を適当に買っていたそうなんですが、そうやって集めていた絵は、ことごとく若冲の絵だった……というからすごい。
その「スポーツカーを買おうと思ってたお金でポンと絵を買っちゃった」とかいうのが、いかにもアメリカの大金持ちらしい鷹揚さというかなんというか…なんとも面白いなあと思ってしまいました。
絵自体は、若冲が若いころの作品なのだそうです。若冲の絵にしてはさっぱり(水墨画だしね)してますけど、でも空間の使い方というか構図の作り方に、なんとなく若冲らしさが出ているような気がします(思いこみ?)。
他にもいろいろあるんですが、あまり長すぎるのもなんなので、とりあえずこの辺で。多分そのうちまた見に行くので、そのうち続編を書くこともあろうかと思います(迷惑?^^;;)
今回のプライスコレクションでは、若冲の水墨画をいろいろ観られるのが良かったなーと思います。動植綵絵みたいに高い絵の具でものすごく描き込んだ絵もいいけど、水墨画もいいですよ。彼の構図の独特さが感じられて、よかったです。
それにしても……どうしてこんなにハマっちゃったかなあ。来年5月12日から6月3日まで、相国寺で釈迦三尊像と一緒に動植綵絵30幅、合わせて33幅一挙に展示!という展示があるんですよね……。あと、京都国立博物館が持っている野菜の涅槃図も見たいんですよね。すごいですよこの絵。お釈迦様が大根なんだから、大根(笑)
…京都、行きたいなあ。行っちゃおうかなぁ。誰か一緒に若冲見に行く人、いないかなあ(^^;
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
2006年08月10日
「若冲と江戸絵画」展(1)展示概要編

上野にある東京国立博物館で開催中の「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」に行ってきました。
タイトルの(1)って、「何回書く気なんだ!」状態ですが、見所たっぷりだったので分けないと散漫になっちゃいそうな気がして。とりあえず今回は全体の話を。
最初に、この企画展の概要から。今回の展覧会は、ジョー・プライス&エツコ・プライス夫妻の江戸絵画コレクション600点の中から、伊藤若冲のものを中心に101点を展示したもの。伊藤若冲のほか、長沢芦雪 、森狙仙、酒井抱一、鈴木其一などの作品もたっぷり堪能できます。
展覧会は平成館の2階をすべて使っており、5部構成+特別展示室になっています。このほか、同じく平成館の1階で「プライスコレクション 若冲と江戸絵画-あなたならどう見る? ジャパニーズ・アート-」もやっており、こちらも必見。お子様向けっぽいテイストですが、夢中になっているのは大人です(笑)
さて、五部構成&特別展示室の内容は以下の通り。
第一章 正統派絵画
第二章 京の画家
第三章 エキセントリック ←ここが伊藤若冲
第四章 江戸の画家
第五章 江戸琳派
特別展示室 光と絵画の表情 ←ガラスケースなし
第三章が伊藤若冲の作品がいっぱい展示されている部屋で、「若冲ルーム」になってます。有名な升目書きの屏風絵「鳥獣花木図屏風」(白い象さんのアレです)もここ。部屋の奥にドドーンと飾ってあります。
特別展示室は、なんとガラスケースなしで作品を展示、しかも数十秒ごとに光のあて方を変えて作品を見せる、という非常に意欲的な試み。
なにしろボリュームたっぷり、おなかいっぱいな企画展ですので、時間がない方は第三章と特別展示室を中心にするといいかもしれません(この2部屋を見れば、プライスコレクションのうち若冲の作品は全て見られます)。
そうそう、以下、おまけ情報を3つ。
1.携帯用オフィシャルサイトから待受画面をダウンロードして、それをチケット買うときに見せると、100円引きになります。
2.北斎展のときみたいに死にそうに混んでるかと思ったら、そうでもなかったです。土日でも恐れずに行ってみてください。混んではいるけど、並ばずに入れるし、入場規制もかかってなかったですよ。
3.チケットの裏に、日付入りのハンコを押してもらうと、その当日であれば再入場が可能です。オススメは、早めの時間に見ておいて、いったん外に出て遊ぶなりご飯食べるなりして時間を過ごし、同じ日の入場締め切りぎりぎりに再入場するという方法。入場が終わってからは当然空く一方なので、激混みの若冲ルームもおちついて見られます。
#エントリの最後に、恥を忍んで告白。私これまでずーっと、伊藤若「沖」って書いてました。正しくは伊藤若「沖」です。さんずいじゃなくてにすいだったのね…は、はずかしひ。でもきっと私と同じような勘違いしている人がいるだろうと信じて、こっそり過去ログを直すことはしないでおきます。
=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)
2006年08月06日
「若冲と江戸絵画」展(0) ミュージアムショップが危険(汗
※ほかのエントリに合わせて、こっそりタイトル変更しました。「若冲と江戸絵画」展(1)、「若冲と江戸絵画」展(2)も併せてどうぞ♪(8/17)
今朝は早起きして上野公園へお散歩。東京国立博物館の「若沖と江戸絵画展」を観てきました。ちょっと混んでたけど、予想よりはマシでしたね。内容もすばらしい!行って良かった~。お昼食べに帰ってきたんですが、夕方また見に行くつもり。
公式ブログで配布している携帯用の待受画像を見せると100円引き&同じ日なら再入場可、というのを利用して、1200円で2回見よう作戦です(←せこい…)
さて、珍しく「いったん家に帰って……」なんてことをしてしまったのは、ショップで買った図版が重かったから、というのもあり。なんとか図版程度でガマンしたけど、若沖展&東博のミュージアムショップ、かなりやばい、です。欲しいモノがいっぱいあって、きりがない……。虎柄の升目描きTシャツでしょ、モノクロのマグカップでしょ、升目描きのルービックキューブとかもあったし。

これは、展示作品の中でもものすごーーーーーーーーーく気に入ってしまった若沖さんの鶴の絵の屏風をミニチュアにしたもの。L版ハガキ(官製ハガキサイズの縦方向を引き延ばしてある)2枚組400円、という値段設定でこれは迷わずお買い上げ。
みっちり描き込んだ鶴の絵もいいけど、その若沖さんがあっさりしたラインで描く鶴もまた格別。鶴の体が卵みたいなシンプルな曲線で、かなり長いこと見入ってしまった作品です。これはいいわ~♪ 目の前に飾れるよう、机の上片付けなくちゃ(^^;
これからお昼を食べたらまた家を出て、皇居の三の丸尚蔵館に行って、もう一回東博に行ってきて若沖さんに浸ってくる所存です。ではでは、いってきまーす♪
2006年08月04日
三の丸尚蔵館「花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に>」@第4期
皇居の三の丸尚蔵館で行われている、 「花鳥―愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」を見てきました。今回は8月6日までの「第4期」。残念ながら第1期は見逃していますのですが、第2期と、第3期については感想を書いているのでよろしかったらどうぞ。
1期目は見逃しているのだけれど、回を追う毎に混雑が増しているような……今回はかなり混んでました。夏休みのせいもあるとは思うけど、しかしそれにしても混んでいる。外人さんも結構いましたよ。
さて、伊藤若沖といえば、8月1日発売のBRUTUS(8/15号)がまさに若沖特集。面白かった!
マガジンハウス (2006/08/01)
いろんな人が伊藤若沖について語ってるんですが、すごく共感したのが「スーパーフラット」って話。第3期展示品のうち、もっとも惹かれた一つが「蓮池遊魚図」。じーっと見ていると、蓮の花と蓮の葉と水面とメダカと……あれ?どっちが上にあるの?どこまでが水の中でどこまでが水の上なの?と頭の中が「???」になってくる面白い作品なんです。あの感覚はまさに、西洋絵画風の遠近法を超越した「スーパーフラット」なんだな、と。
このBRUTUS、かなりお買い得な号だと思うので、興味がある方はチェックしてみてください。プライスさんの対談とか、展示ガイドとか、英語解説とかあってかなーり楽しめます。おっきな絵も入っているし。あ、若沖の一生をすごろく仕立てにした漫画も面白かった。電車の中でニヤニヤ笑っちゃったもの(笑)
もう一つ、Amazonで見かけたコレ、「ザ・プライス・コレクション」。大型豪華本で、ページ数は664ページ、お値段7万3500円!だれか買ったら見せてください…(他力本願)
…さてさて、話がそれまくりました。以下は今度こそ第4期の感想です。結構長いので、お好きなかただけ…。
今回の感想を一言で言えば「すごーーーーくよかった」。いやほんとに。
今までも良かったけど、私としては総合で見て今までで一番楽しめました。若沖さんだけじゃなくて、酒井抱一の「花鳥十二ヶ月図」も素晴らしい。12カ月まとめてみられるんですよ~。こんなのをタダで見られちゃうなんて、なんて贅沢な(涙)
花鳥十二ヶ月図は、これはねえ、すっごくいいですよ~(説明になってないよ、とセルフツッコミ)。植物を中心、鳥を脇役に季節感たっぷりに描いた12幅の絵です。若沖を観たあとの目には少々シンプルに映るかもしれないけれど、あの叙情性というか、何とも言えない優しい雰囲気、鳥の愛らしさ、草花の絶妙な造形センス、見飽きない傑作だと思います。東博の「若冲と江戸絵画展(プライスコレクション)」のほうにも酒井抱一の花鳥十二ヶ月図(ただしこちらは鳥と昆虫がメイン)が出ているそうで、見に行くのがますます楽しみ~♪→公式ブログ参照
さてさて、今回の若沖さんは、鳳凰&鶏の絵がたっぷり楽しめます。初めて見たときに、その羽根の表現の美しさにすっかりやられてしまった私ですが、今回惹かれたのは「脚」!彼の描く、鳳凰や鶏の脚がたまらん…。鶏に比べると鳳凰の脚はものすごく細くて、見ていると折れないか心配になるくらいなんですけど、あのうろこ(じゃないけどなんだろう?)の細かな書き込み、ツメのところのなんとも言えないカーブの美しさ、それとなんて言うんだろう?ツメとは逆側にピョコッと飛び出している部分があるんですけど、その「ピョコ」がなんともたまらなくそそるのです…。ああ、たまらない。

「旭日鳳凰図」。脚もなんですが、鳳凰の羽根の表現がまた、クジャクみたいでステキ。よく見ていると別のモノのようにも見えてくるあたりがまた不思議な気分です。あり得ないポーズしてるんだけど、でもちゃんと絵として成立しているのがさすが。「老松白鳳図」もきれーい。
今回は「向日葵雄鶏図」「大鶏雌雄図」に「群鶏図」と、有名な鶏の絵が目白押し。ガラスにくっつきそうなくらいにじり寄って、羽根や脚の細かな細かな描き込みや美麗な彩色に見入るもよし、ちょっと離れて、鶏の絵をまとめて見るのもまた楽し。今回の鳳凰&鶏シリーズはほんっとに素晴らしいです。

で!「池辺群虫図」。これがまた見飽きないのですよ……(表現力貧しくて申し訳ない)。カエルカエルカエル、オタマジャクシいっぱい、ちょうちょ、バッタ、せみ、毛虫、かまどうま、ヘビ、ありんこ、それからそれから……という感じで、絵の中にいる虫を探しているだけで楽しい。絵としてももちろんすばらしい。カエルの向きが絶妙で、ホント楽しいのです。実物大ポスターとかないかなあ……。
はぁぁぁ、楽しかった。日曜までになんとかもう一回見に行きたいな……。
2006年07月28日
岡本太郎「明日の神話」@汐留と某アイドルの話
汐留で無料公開されている、岡本太郎の「明日の神話」を見てきました。岡本太郎について書くのは、今年のお正月に行った「岡本太郎meetup」以来になります。→その1/その2

縦5.5メートル、横30メートルの巨大壁画。青山の岡本太郎記念館でレプリカを見たことがあったのでどんな絵かは知っていたのですが(写真はこちら)、でも実物はやっぱり別物。すごい迫力です。
メキシコシティ郊外で見つかったというこの作品。大がかりな再生プロジェクトの末、今回一般公開されたものです。修復の跡が生々しかったり(つぎはぎしているのを裏から見られる)、レプリカと違い、一部立体的に作られていたりするのを知ることができるのは、やっぱり実物を見られたから。こういうとき、東京に住んでいるありがたみをしみじみ感じます。
※明日の神話の修復プロジェクトについて詳細は、ほぼ日刊イトイ新聞内にあるオフィシャルページをご覧下さい。

今から数年前、初めて大阪の万博公園にある「太陽の塔」を見たとき、そのサイズだけじゃなくて、見る者に迫ってくるパワーを感じて、いつまでも見飽きることがなかったのを覚えています。その太陽の塔と同じころ制作されたという明日の神話もまた、ものすごくスケールが大きくてパワーのある作品です。
…なのですが。
明日の神話が飾られているのは、汐留にある日本テレビの敷地内。決して狭くないスペースなんですが、なんとなーく独特の圧迫感があるんですよね。見上げるとガラス張りの高いビル、両側にも壁が迫っています。外へ広がろうとする壁画がギュウギュウと押し込まれて息苦しいような、そんな感じを受けてしまったのです。可能であれば、もっと広々とした場所&気持ちで見たかったな。それが残念です。








![BRUTUS (ブルータス) 2006年 8/15号 [雑誌]](http://images-jp.amazon.com/images/P/B000H30E7O.09.MZZZZZZZ.jpg)
